車の運転ができるというのは男ならあたり前なの?

「今度の休日、どうするの?」そう友人の経達也に聞いたときだった。「ちょっと、親の車を借りてドライブだよ」「あれ、デート?」「違う違う、ペーパードライバーから脱却しようと思ってな」。達也の話によると、この前、数年ぶりに車の運転をさせられたんだそうだ。車の持ち主がお酒を飲んでしまって、達也に運転代行を頼んできた、というわけだ。「そこでは可愛い女の子が二人いてさ、よっしゃ頑張るか! ってなったんだけど車の運転って超久しぶりでさ、女の子たちに不評だったわけ」車の運転。確かに俺ももう何年もやってないな。それは免許とりたてのときは嬉しかったし、どこでも好きなところに行ける! ってなって乗りまくってたけど、仕事が安定してきたらめっきり車には乗らなくなってしまった。正直いって、電車のほうが便利だしね。それに車は維持費とか駐車料も馬鹿にならないのだ。普段、電車で通勤している身としては、休日も電車で十分でしょっていう気持ち。ただのケチの発想なんだが、休日にガソリン代を使うよりかは定期を使って安い交通費に抑えたほうがいいかなっていう気持ちもある。まぁ、ケチというよりエコってかんじかな? だから、達也が久しぶりの運転にテンパったというのもわかるんだよな。「それでその女の子たちとは仲良くできたのか?」達也のしょっぱい顔。「できるわけないだろー。車の運転がろくにできない男って、男じゃないって言われたんだから。しかも、そういうこと言われると余計に運転が下手になるから悔しいよな」「あぁ、あるある。プレッシャーに弱いんだよな」「そうそう」「それで、運転の練習?」「あぁ。彼女たちを見返そうと思ってな」「え、もうデートに誘ったの?」「うん、懇願したよ、このまま別れたら一生後悔するなって」「なんて頼んだわけ?」「これは俺の実力じゃないんだ。頼む、一回ドライブデートに付き合ってくれ。三十分でもいいから」「それで女の子は?」「笑いながら、いいよって」そんな最悪な状況を好転させた達也の頑張りに俺は敬意を表したい。